
おまえは わすれた
いや わすれていない
おまえは わすれた
わすれていない
そんなことも
おもいだせないくらいに
おまえたちは わすれた
わすれたかった
そんなことも
おもいだせないくらいに
おまえは わすれた
わすれても よかった
いきるために わすれても
よかった
そう おもいたかった
忘れることで 守った人がいる
忘れずに 沈んだ人がいる
けれど、その
痛みを使って 昇った人が
いちばん よく笑っていた。
わたしは わすれていない
でも それだけでは
誰も 救えなかった
だから 声を出さずに
沈んでいった
ただ おぼえていた
だけだった
あなたが その痛みを
使いはじめたとき
それはもう
わたしのものでは
なくなった