晴れ/12km

白藤大使堂ウラ(テント)

 ↓6km

66番雲辺寺

 ↓6km

へんろ小屋37しんきん庵法皇(テント)

歩いても歩いても

渇きはみたされない

進んでいるのに停滞しているようで

時間はすぎ

体力を奪いとっていく

雲辺寺をめざし

険しい山路を

いやいや歩く

途中何度も立ち止まり

息を整える

“はるばると 雲のほとりの寺にきて

つきひを今は ふもとにぞ見る”

正午過ぎ

香川と愛媛の境目まできた

寝床を探しながら下山する

持参したみずも底をついたころ

農作業中のおばあさんから

水汲み場を教わる

おかげ地蔵のそば

とても細やかな清流

息をふき返す

川縁の花を咲かし

麓の田畑に実りを与える

この水とともに

山裾を下っていく

遍路小屋に到着

大きな道路の真横

おじいさんが田畑の草刈りをしている

道路と並走して流れる川へと

薮を掻き分け浸かりに行く

銭湯にいくような調子で

遍路小屋にて

山頭火の句をみつける

“こころおちつけば水の音 

かすんで かさなって 山がふるさと

霧 重

木花より草花を愛する

春の花より秋の花が好きだ

野花を愛する。”